こんにちは、ISOGE!オーナーのよもです。サラリーマンをしながらISOGE!を運営する、いちマンション好きです。
この記事では、最近増加している定期借地権マンションの特徴についてまとめています。デメリットはありますがメリットもあり、今後増えていく傾向にあることを考えると、マンション購入検討者にとっては選択肢の一つになってくると思います。
※実際僕も定期借地権物件を新築で購入して大きくリターンを得ることができたので、少なくとも新築で購入⇨中古マーケットにおける値上がり、の期待は比較的高いと思っています(中古で購入だと様々要素が絡んでくるので難しい部分もあると思いますが)。
定期借地権(定借)とは?
定期借地権とは簡単に言うと「土地を借りて、その上に建物を所有する」権利のことです。1992年にできた制度で、契約期間(マンションの場合は通常50年以上)があらかじめ決まっており、契約の更新がないのが最大の特徴です。ですので、期間が満了したら、建物を解体して土地を地主さんに返す必要があります。
購入者にとっての一般的なメリット
初期購入価格が抑えられる!
:土地の所有権を買わない分、同じような立地の所有権マンションと比べて、価格が安くなる傾向があります(一般的に6~8割程度と言われます)。予算内で、より良い立地や広い部屋を選べる可能性があります。
好立地の物件が見つかりやすい!
:地主さんが「土地は売りたくないけど、貸すならOK」というケースは都心部などで少なくありません。そのため、所有権ではなかなか手に入らないような便利な場所に定借マンションが建てられることがあります。
一般的なデメリットとリスク
毎月の「地代」がかかる
:土地のレンタル料として、地代を毎月支払う必要があります。ですので月々のランニング費用が高くなる傾向にあります。なお、この地代は将来的に見直されて値上がりする可能性もあります。
「解体準備金」の積立てが必要
:将来、建物を解体するための費用を、毎月少しずつ積み立てていくのが一般的です。これも地代と同様に月々のランニングコストを押し上げるポイントとなります。
住める期間が決まっている
:契約期間が終われば、土地を返さなければなりません。永住したり、子孫に残したりすることはできません。将来の住み替え計画が必要になります。
売却(転売)やローンに注意が必要
:中古で売ることは可能ですが、地主さんの承諾が必要な場合があります。また、残りの借地期間が短くなるほど、売りにくくなったり、価格が下がったりする傾向があります。住宅ローンも、所有権マンションに比べて審査が厳しくなったり、借入期間が制限されたりすることがあります。
また、他のデメリットで言うと、中国系の方は定期借地権をあまり好まないと言う点があります。なので、中国投資家による需要などを期待するのは難しい部分があります。
定期借地権と所有権の比較まとめ
ざっと所有権と定期借地権とで比較するとこの表の通りとなります。初期購入価格が低いという大きなメリットはある一方で、ローン審査の難易度やランニングコストの高さというデメリットはあります。
よもの定期借地権物件への個人的経験

ちなみに僕も、「ブリリアシティ西早稲田」という定期借地権物件を新築で購入したことがあります。その時に感じたメリットも上記の通りで、西早稲田エリアという、学習院が近いこともあり非常にファミリー人気のエリアにも関わらず、坪単価300万円程度で3LDKを購入できる非常に低い価格が魅力的でした。年収の8倍くらいの水準で住宅ローンもメガバンクで問題なく借りられので、こと新築においてはそこまで問題はないかと思います。なお、この物件で感じた資産性・リセールバリューへの期待については後述します。
なぜ今「定期借地権マンション」が増えているのか?
最近、特に都心部で定借マンションが増えていると感じませんか?有名なところだと僕の購入したブリリアシティ西早稲田、リビオシティ文京小石川、シエリアタワー南麻布など、有名プロジェクトでもその名前を聞く機会は多いのではないでしょうか。それには、いくつかの理由があります。
都市部の地価が高すぎる
:まず、これが最大の理由です。土地代が高すぎて、所有権マンションだと価格が高くなりすぎてしまい、一般の方が手を出せなくなってきています。定借なら、土地を買わずに済むので分譲価格を抑えられるというデベロッパーとしてのメリットがあります。
良い土地を確保したいデベロッパーの戦略
:駅前など、地主さんが売りたがらない良い土地でも、定借なら開発できる可能性があります。パークタワー渋谷笹塚も、新宿中村屋さんの土地でしたが、定借だからこそ預けてもらえたという側面があったそうです。
購入者のニーズの変化
:「土地を所有すること」にこだわらず、「立地や建物の質」「予算内で買えること」を重視する人が増えている、ニーズの変化があります(現実的に、定借でないと予算が合わないというケースが増えてきていますからね)。
国土交通省のデータでも、定借マンションの供給戸数は増え続けていますし、地価が高い状況が続く限り、この流れは今後も続くと考えられます。
首都圏で予定されている新築定期借地権物件(2025年5月現在)

関西で予定されている新築定期借地権物件(2025年5月現在)

買えない所有権より、買える定期借地権
よく、定期借地権だとせっかくローン組んで買う意味がない、という人がおり、何度も新築マンションの抽選に挑戦しては落ち続ける人がいます。こういった方は結局資産の積み上げがなかなかできず、長い目で見た時に損になってしまいます。定期借地権を忌避してた方も、数年経つと現実的にそれしか選択肢ないよね...となっていく未来が近くくると思います。なので、僕は定期借地権の購入は積極的に検討オプションに入れて良いと思います!
定期借地権というだけで避けることなく、物件ごとの魅力や定期借地権を正しく理解した上で、判断しましょう。


